先進医療の紹介

内視鏡について

内視鏡というと「胃カメラ」みたいなものを思い浮かべる方は多いと思います。
やわらかいチュー ブでできているので「軟性鏡」と言いいます。
それとは別に、くにゃくにゃ曲がらない硬いパイプでできているものがあり「硬性鏡」と言います。

「軟性鏡」は

光ファイバーであったり、CCDカメラが先端についていたりして、胃の中などをのぞけるだけでなく、診るための機能とは別に、液体・気体の注入、薬剤散布、吸引、ものをつまんだり、切ったりする道具を付けて操作することができます。
また先端方向を手元の操作で変えられます。ですから、曲がりくねった腸などにも負担をかけずに挿入できます。 のど・食道・胃・十二指腸・結腸・直腸の中を診たり手術したりするのに使います。

「硬性鏡」は

硬いパイプの先がレンズになっていてカメを付け、体腔内(胸の中やお腹の中)を診たり、手術したりするのに使います。
胸の中を診る胸腔鏡では肺や心臓などを手術したり、お腹の中をみる腹腔鏡では、肝臓・腎臓・胆のう・脾臓・子宮や卵巣・胃や腸の外側を手術したりできます。
「りんごの樹どうぶつ内視鏡手術センター」は、体に負担をかけないようにおなかの中を診るところです。
そして、迅速に確実に診断し、処置を行える施設です。

消化管内視鏡

軟性鏡の中は光ファイバーが通っていてやわらかくよく曲がりますので、直接おなかかの中を見ることができる胃カメラです。先にはレンズと照明がついています。
これは気管支・食道・胃・十二指腸・大腸の内部を観察することができます。 診るだけでなく、先の部分にいろんなアイテムをつけて操作することもできます。
たとえば
・輪になったメス
・つまんだりするハサミ
・吸いついて病変を取り除いたりするストロー
・様々な用途と形をしたナイフ
・狭くなってしまった管腔などを広げるステント
・薬剤をまくための霧吹き
実際の画像ですが、非常によくわかります。
レントゲン検査やバリウム検査は結局のところ影を見ているのでこうはいきません。しかもカラーですから色もわかります。
ただ、レントゲンのようにお手軽ではありませんで、人間が胃カメラを飲む時は、のどに麻酔の薬を飲み込まずにしばらく効いてくるまで我慢が必要です。しかも、カメラを挿入されるとかなり苦しく「早く終わってくれ」と耐え忍ばなくてはいけません。ワンちゃんやネコちゃんにそれは不可能というものです。
したがって、ワンちゃんやネコちゃんに内視鏡をするときは全身麻酔で行います。

消化管内視鏡でできること

・緊急時の異物の摘出。何かを食べてしまって、吐きだせない時など。
・原因不明の嘔吐、下痢などの病気の原因を探る。
・腸や胃の壁面などにできたポリープの切除や一部細胞を採取して検査をする。
などができます

大型犬の子でしたが、たびたび嘔吐するので内視鏡で検査をしました。胃にカメラが入ると何か黒いものがあります。ビニールの部品の様です。嘔吐の原因はどうやらこれのようですが、さらに進んで見ると胃の内部で腫れているところありました。ビニールの部品のせいで炎症を起こしていることも考えられますが、一部細胞を取って病理検査しました。
後日、検査の結果その細胞はガンでした。
その子の場合は、お薬でガン治療することになりましたが、そういう発見がきるのがメリットです。

胃の場合のガンには、「早期ガン」と「進行ガン」とがあります。胃壁は内側から、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、筋層、漿膜(しょうまく)の順に層があります。ガンの浸潤(しんじゅん)が、粘膜下層までにとどまっているものを早期ガンと呼びます。
早期のガンは、胃の表層をくり抜くように切除する内視鏡手術で根治効果が期待できます。

ポリープの発見。胃のポリープ、大腸のポリープとかは人間の健診でもよく話題になります。
いわゆるオデキができているわけですが、これらが悪いものか、特になんでもないものなのかは、病理検査の回答を待つことになります。さらに、内視鏡なら簡単に切除ができますから、検診=異常の発見=処置 が同時に行えるわけです。

腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)

腹腔とは、胃や腸やその他の臓器の納まっているところ、いわゆる「おなか」のことです。
腹腔にカメラ(鏡)を入れて、おなかの中で手術をするやり方を腹腔鏡手術といいます。 腹腔胸手術では、避妊手術、門脈シャント、胆のう粘液のう腫、腹腔内停留睾丸、膀胱結石、肝生検、腎生検などができます。状況によっては、開腹手術の方が適している場合もありますので、十分検討します。
ここで、病気の簡単な説明ですが、

腹腔内停留睾丸=雄の睾丸がおなかの中に入ったままになる病気です。 門脈体循環シャント= 詳しくはこちら
胆のう粘液のう腫
膀胱結石=膀胱内に石がたまる病気です。
肝・腎・膵=肝臓、腎臓、膵臓の検査のため一部少量の細胞を取り出すことです。 腹腔鏡では、写真のような特殊な器具を用いて手術をおこないます。
おなかのなかの手術ですので、実際に臓器を見て手術をおこなうのではなく、テレビモニターに映して、それらを見ながら手術をおこないます。

腹腔鏡による手術は、
今までのような開腹手術と違って、傷が小さく済み腸などが、空気にさらされていないので術後の腸の動き出しが良い、癒着しにくいなどのことから回復が早く、術後の痛みが非常に軽くて驚くほど元気です。もちろん、美容的にも優れています。カメラが臓器の近くまで寄れるため、細部まで観察ができ、繊細な作業が可能となります。

手術難度は開腹手術に比べややが高くなります。 視野が狭いため全体を見ることが難しく、他の組織が損傷していても見落とされやすいとか、大出血の場合に止血コントロールがしにくいとか、電気メスなどを用いるときに出る煙が排出されにくいとかがあり、これらを解決するためには執刀医とアシスタントのきわめて丁寧で高度な技術が欠かせません。

腹腔鏡手術の例

  • 停留精巣摘出手術です。
    睾丸がおなかの中に留まって降りてこない病気です。
  • 肝生検です。
    肝臓の組織の一部を肝臓の状態や病気の診断のために取り出す手術です。
  • 膀胱結石です。
    膀胱の中に出来る石のような硬い結晶です。

どうぶつ内視鏡手術センターで腹腔鏡手術を行います

  • おなかに直径3mm~10mm程度の穴を2~5箇所あけ、その穴から棒状の器具を挿入します。写真は3個の穴があけてあります。
    中央の穴のところにパイプが付いていますが、これは二酸化炭素ガスを注入しておなかを膨らませて、ドーム状にして手術するのに必要な空間を作ります。穴に器具を挿入して手術が始まります。
  • 特殊な器具で患部を探ります。
    他の臓器に傷をつけないように慎重に手術を施す患部までたどり着かなくてはいけません。手術中は執刀医はモニターを見ながら器具を操作しています。
  • モニターには、腹腔鏡でとらえたおなかの中の映像が映し出されています
  • 3か所の傷口を縫って完了。
    傷跡は非常に小さいので、開腹手術に比べて痛みが軽減できます。
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